大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和34(オ)1279 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人今野佐内の上告理由第一点について。

論旨は、訴外D実業株式会社が本件家屋につきなした保存登記は二重登記であつ

て無効であり、更に、中間者たる上告人の承諾がなかつたから、右登記に基いてな

された本件家屋の中間省略登記は無効であつて、従つて、被上告人は本件家屋の所

有権取得をもつて第三者たる上告人に対抗し得ないといい、また、被上告人は、訴

外Eが昭和二六年六月七日右訴外会社から本件家屋等を買い受けたと主張している

のに、原審が、上告人は、昭和二六年三月頃右訴外会社から本件家屋等を取り戻し、

直ちにこれをEに売り渡した旨を認定しているのは、当事者の主張しない事実を認

定して裁判したものであると主張する。

しかし、原審認定の事実によれば、本件家屋の所有権は、上告人から前示訴外会

社え、同会社から上告人え、上告人から訴外Eえ、同訴外人から被上告人えと転々

譲渡されたというのであるから、上告人のごときは被上告人の登記欠缺を主張し得

べき正当の利益を有する第三者に該らず、従つて、本件家屋に関する被上告人の所

有権取得登記の効力を云々する所論は理由のないこと明らかであり、また、所論原

審認定の事実も当事者主張の事実の範囲を出るものとは認め難い。

なお、論旨は、原判決に、他に、当事者の主張しない事実の認定、判断の遺脱等

の違法があるごとくいうが、それが原判決のいかなる点に存するかを明らかにしな

い。従つて、所論は、いずれも採用するを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

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最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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